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未収金・債権回収への対策を行うことの必要性
①:未収金の実態
治療費の未収金は、どの医療機関でも抱えている課題ではないでしょうか。高度な医療を行う大規模病院では未収金額が高額化する傾向にあり、診療所でも、少額の未収金でも累積すれば相当な金額になるので、未収金は経営上無視できない問題です。
②:未収金による悪影響
未収金を放置すれば収益悪化につながるだけでなく、最初から治療費を踏み倒すつもりで受診する悪質な患者が増えモラルハザードを引き起こしかねません。こういった事態に陥らないためにも、しっかりと未収金対策に取り組みましょう。
未収金を発生させないための予防策
ひとたび医療費が未収金化すると、それを回収するためにかなりの労力と時間が必要になります。
そこで、未収金を発生させないための予防策が重要になってきます。
支払方法の多様化
手持ち資金がない患者でも支払いができるように、クレジットカード決済、電子マネー決済を導入すると未収金を抑えることができます。
また、外国語対応の自動精算機を導入していれば、外国人患者の支払いも確保しやすくなります。
支払手段の確保
入院・手術などで治療費が高額になる場合には、事前に支払いの担保をとることが基本になります。例えば、身元保証人との連帯保証契約や、預り金(入院保証金)の徴収などです。連帯保証人をつけるのが難しい身寄りのない患者もいるため、連帯保証人代行サービスを活用するのもよいでしょう。
また、事前に限度額適用認定証を患者に入手してもらえば、自己負担額が抑制されますので、治療費の未払いを防ぐことができます。
悪質な未収患者に対する受診拒否
では、治療費の滞納を繰り返す患者の治療を拒むことはできるのでしょうか。医師には、正当な理由なく診療を拒んではならないという応招義務があり、未収金があることだけを理由に治療を拒むことはできないのが原則です。しかし、特段の事情もなく未払いを繰り返すような悪意のある患者に対しては、例外的に治療を拒んでも応招義務には違反しません。
未収金を拡大させないためにも、悪質な患者に対しては、受診拒否も検討せざるを得ないでしょう。
未収金が発生した場合の解決方法
対応フロー・マニュアルの作成
少額な未収金については、職員が未収患者に対して、電話や書面で催告することが多いと思います。その際、未収金回収のフロー図・マニュアルを整備し、さらに事前に催告書の書式を作っておけば、誰でも効率的に回収業務を進めていけるでしょう。
また、民法改正により、令和2年4月以降に発生した診療債権は、消滅時効の期間が3年から5年に延長されました。とはいえ、未収金を消滅時効にかからせないために、未収金管理表に診療債権の発生時期を記入するなどして、適切な債権管理に努めてください。
法的手続き
何度催告しても支払わない患者に対しては、支払督促、少額訴訟、通常訴訟などの法的措置をとることができます。
支払督促とは、債権者の申立てにより、裁判所が債務者に対して支払いを督促する手続きです。債務者から異議がなければ強制執行が可能になります。
少額訴訟は、請求額が60万円以下の金銭請求について、原則1回の審理で解決を目指す手続きです。通常訴訟は、小額訴訟のような制限はありません。
それぞれの手続きにメリット・デメリットがありますので、未収金額や患者の対応に応じて、適切な法的手続きを選択してください。請求を認める判決等が下ったにもかかわらず支払われない場合には、未収患者の預貯金等の資産を差し押さえて強制的に回収することができます。
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支払督促 |
少額訴訟 |
通常訴訟 |
目安期間 |
1~2か月 |
2~3か月 |
3か月~1年 |
裁判所への出頭 |
なし |
あり |
原則あり。 ウェブ・電話会議あり |
証拠 |
不要 |
必要 |
必要 |
その他 |
債務者から異議があると、通常訴訟に移行する |
利用回数は年10回まで |
債務者の所在が不明でも、公示送達により訴訟手続きが可能 |
病院・クリニックにおける未収金・債権回収は当事務所へ
当事務所の特徴①
医療機関における未収金は、少額なケースが多いため、弁護士に依頼すると費用倒れになることもあります。しかし、未収金回収に向けた手続きの流れが確立されていなければ、効果的な請求ができず回収につなげられません。
当事務所では、これまで医療機関の未収金回収のセミナーや研修を多数開催してきました。医療機関における未収金回収業務体制の構築や、職員が実践できる債権回収のノウハウをお伝えすることができますので、未収金に関する課題の解決方法をご検討されておりましたら、当事務所にご相談ください。
当事務所の特徴②
催促に全く応じない、債務者の居場所が分からない、治療内容にクレームをつけて支払おうとしないなど、対応の難しい未収患者に対しては、弁護士に依頼することで、回収可能性を高めることができます。
当事務所では、債権回収の豊富な経験とノウハウを生かして、効率的に未収金の回収を実現させます。
当事務所の特徴③
当事務所の顧問プランは、未収金回収の対応業務も含まれているものもありますので、
定期的に未収金が発生する場合には、顧問契約をご検討ください。